春の楽器、ペンペン草
子どもの頃、その葉を一枚、一枚、細い茎をちぎらないように気をつけながら少し剥き、柳のように垂れ下がった状態にして、茎をくるくると回す。そんな遊びをしませんでしたか？私はおおいにやりました。指先でねじるようにして回すと、糸状の茎の先についているハート型の葉が回転してぶつかりあい、ペンペンと音を立てるのです。でんでん太鼓の要領ですね。ペンペンというよりは、シャラシャラ、チャラチャラ、という音。さきほど、"ハート型の葉"、と書きましたが実はこれは「葉」ではなく、「果実」でした。そしてその形は、ハートではなく、三味線の撥（バチ）に似ていることから「ペンペン草」「三味線草」と別名がついたのだそうです。私は長いこと、ペンペン草が本名だと思っていました。果実はよーく見ると、ハート型でもバチ型でもなく、なにか精密な機械部品のような端正な形をしています。だけどちょっと離れるとやはり緑のハートがたくさんついているように見え、白い花もかわいらしく、健気な風貌。春の野原に無数のハート、三味線、音楽、子どもの遊び、、、まるで平和の象徴のような花だなぁと思います。毎年、描くのも楽しみです。
幅 ：55mm
高さ：43mm
素材：ガラス（日本製）
器種：酒杯
点数：1
価格：¥25,000（税抜）
ご注意：サイズはおおよその値です。
本品はガラス製品です。
耐熱ガラスではありません。
